いつも当院をご利用いただき、誠にありがとうございます。
6月も中旬にはいり、そろそろ東海地方も梅雨入りかと思わせるような空気に包まれてまいりました。
お家の庭先や道路脇にはこの時期の花々が咲き乱れており、目を楽しませてくれています。
さて、今回は鍼灸治療を行うにあたって、大事な道具をひとつご紹介したいと思います。
【てい鍼】(ていしん)です。
上からステンレス、銅、銀と材質がことなっていますが、すべて【てい鍼】とよばれる道具になります。
細かくいうと【小里式てい鍼】という名前がついています。
見た目とおり、刺さない(皮膚に刺入しない)鍼、になっています。
世間一般には鍼灸治療はまだまだ鍼を身体に刺すもの、というイメージが強いですが、実は近年では
「刺さない鍼」も多く使われるようになってきました。
てい鍼のみで鍼灸治療を行う先生も増えてきているんですよ。
てい鍼は身体にあてて軽い刺激をあたえたり、皮膚上をなぞるように動かしてツボや経絡(ツボとツボをつなぐ線路のようなもの)
に気を流す働きをするために使います。
材質によって得られる効果が違ってきます。
また、術者によっても相性の良い材質はありますので、てい鍼の材質はステンレス、チタン、銅、銀、金など様々な材料から作られて
います。
刺さなくても治療効果があるのか?というご質問をよくいただくのですが、ツボは身体の至る所にあり、その数およそ361個程度
あると考えられています。(世界保健機構(WHO)提唱)
実際にはそれ以上あるのでは、とも言われておりますが。
ツボは人間の身体中、ありとあらゆるところに存在しています。
身体の深部から皮膚の浅いところまで場所は様々です。
ですので必ずしも身体の深いところにあるツボに鋭利な針を入れずとも、皮膚の浅いところにあるツボを刺激することで
よい治療効果がえられると分かっているのです。
もちろん、人それぞれ持っている体質やその時々の身体の悩みや病の重さなど違いはありますので、てい鍼だけで効果が
得られる人もあれば、鍼を刺入した方がより良い効果が得られる方もいます。
「その人その人に合わせたオーダーメードの治療が出来る」ことが鍼灸治療の素晴らしさだと思っています。
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